CD1枚に3000円も払うくらいなら300円でレンタルしてコピった方が10倍マシ

【http://oops-music.com/docs/article.html?author=interview&title=INT_11_ecd2】

――そういえば、ECDさんのCDはいつも安いですよね。今回も1,500円で、ライヴ会場だと1,000円で売ったりしている。客としては、「大丈夫なのか？」という気分になってしまうのですが（笑）。

ECD 全然これで回っているんです。リリースの度に（デザイナーの）石黒（※6）やツボイくん（※7）に払うギャラは正規の額だし、スタジオ代もちゃんと払っている。アルバムを1枚作ると、レコーディングの費用を含めて全部で150万円くらいかかるんですけれど、それでも充分です。まあ、次のアルバムが作れればいいという感じではあるんですが。

――その、「なるべく安くしたい」という気持ちの根っこにあるのは、やはり自分がCDを買うときの感覚ですか？

ECD そうですね。レコファンに行くと新譜の洋盤が1,500円で買える。それを考えると絶対1,500円以上にはしたくなかった。3,000円のCDは、試聴はするけど実際手が出ないですよ（笑）。自分で作っていると、なんで3,000円しないとペイできないのかという〈からくり〉がわかってくるんです。あれ、会社が大きいから高いというわけじゃないんですよね。アメリカとかヨーロッパでは安く作れているわけだし。

――結果的には回っているということですが、安くすることで利益が下がるんじゃないかという不安はなかったんですか。

ECD 倍の値段にしたからといって倍の利益にはならないでしょう。リスナーが安いから買ってくれているとは思っていませんが、値段を倍にすると買う人が半分になるんじゃないかとは思っています（笑）。そっちのほうが怖いですよ。1,000円にすれば、他のアーティストのものと合わせてもう一枚買ってくれるんじゃないですかね？ 希望的観測でもなんでもなくて、僕は他のアーティストが競争相手だとは思っていない。僕のCDを買うから誰かのCDを買わないということよりも、僕のCDを聴いてくれて、繋がりがあるアーティストの作品を買ってくれることのほうが多いんじゃないかな。僕も昔からそうだし。そういう意味では、3,000円を2枚買うのはやっぱりキツイですよね（笑）。