あけましておめでたいの?

ふと思った。「あけましておめでとう」というのはいったい何がおめでたいのか?


いやいや、年が明けてめでたい、というのは分かる。じゃあ年が明けると何かいいことがあるのか、ということを逆に尋ねたい。年が明けると戦争が終結されるのか?景気が回復するのか?年末ジャンボが全部一等賞に化けるのか?単著が出るのか?俺をふったあの人が「だいてー!」と叫びつつ俺の腰に手を回して……いや、これは書いていてむなしくなってきたからいいや。ごめん。泣きたくなってきた。すんすん。ともかく、年が明けると“何が”めでたいのか?そこらへんを自分の中でハッキリしておかないと、お金とか、彼女とか、そういう結果的なものを求めるような、なんちゅーか現代っ子万々歳みたいなネタの振り方をするのは非常に良くない。


年が明けるということはなんだろうか。というか俺は年が明けたときにめでたいと思ったことがあるのか?年が明けたときの本当にめでたいと思っている人はこの世界にどれだけいるんだろうか?あー、事前にはてなアンケートに投げつけとけばよかったな。ちょっとでも数が出ると安心する僕です。これもよくない。ってかぶっちゃけ年が明けると精神的にめでたい気持ちになるだけ、という結論でもいい気がしてきた。この文章書いている途中で文章構成が一気に崩壊しちゃったからもうどうでもいいよ。まるなげまるなげ。ポン酒飲んで酔っ払ったじーさんがモチを喉に詰まらせた挙句、神棚の裏手に隠してある日本刀を振り回してフィーバー、嫁は掃除機を持ち出してフィーバー、主人は延々と駅伝ランナーに自分を照らし合わせてフィーバー、子供はお年玉がライブドアの株券でフィーバー、とまさに新年早々大変めでたい一家とかいるわけです。俺の脳みそがめでたすぎる。


一気にマジメな話に戻すと、「今年も無事に迎えられて良かったですね!」という意味合いと勝手に解釈している。新年をめでたがる風習がいつ頃から行われているかは知らないけども、人生の途中で人が死ぬことなんてマンモスに踏み殺される時代から分かりきっていることだから、節目節目に「生きてて良かったね」というちょっとブラックな感じの共感具合を、それはそれは和やかに賑やかにカモフラージュして満喫するというのは、あるんじゃないのかなぁ、そういうの。と手探りの範疇で書いてみた。うん、それっぽいぞ!さすが俺!これウソチクの泉に送ったらオシリコインもらえるかな?あ、もうやってないんだそのコーナー。残念。でもそれっぽいからいいや、今度酒の席で適当にこぼしておこう。「あけましておめでとうってみんなよく言うけどね……」みたいな感じで。あ、なんかちょっと愚痴っぽい。ちょこっと修正して使おう。


「今年も生きてて良かったね」の関連でいえば「お誕生日おめでとう」というのも同じようなことが言えるのかもしれない。というか同じウソチクで流用できるかもしれない。「お誕生日おめでとうってみんなよくいうけどね……」みたいな。いや、よくは言わないな。ただ、大人になると誕生日がめんどくさくなっていくのも、子供のころはふとした弾みで死ぬかもしれないけど、それでも生きてていたからめでたい、みたいな部分はあるのかもしれないなぁ。大人もふとした弾みで死ぬけども。まぁ、生きててくれてありがとう的な。近年はまた子供にとっても大人にとっても息苦しい世の中なわけだし、誕生日くらいは精一杯祝ってもいい気がするなぁ、自分に対しても、生きててくれてありがとう的に。ぶっちゃけ、生きる理由の半分は死ぬと悲しがる人がいるから、と考えているんだけども、ならば、ならばですよ、お誕生日は新年以上に大変めでたい行事になるんじゃないのかな、と思ったわけです。いや、生きてることはめでたいか。ならば新年だけじゃなくて年がら年中祝いたい……と考えてしまうところだけど、それじゃあ派手に祝うための体力が足りなくなっちゃうから、やっぱり新年にいっぺんと、誕生日にいっぺんと、ぐらいが丁度いいよね、という腑のおち方になりましたとさ。


余談。「お誕生日おめでとう」の話を書いていて「お誕生日おめでとう!……これでまた一歩死に近づいたな!」というブラックジョークがあったのを思い出した。最初コレを知った時は「こんなにひどいジョークが!」という感想だったけども、今になって再度考えてみれば、あのジョークは「また一年生き延びることができたね、おめでとう。でも死からは絶対に逃れられないよね。」というなんやらハードな意味合いが込められていたのかなぁ、とも解釈できる。いや、むしろそれを笑いを込めたブラックジョークとして扱うことによって、“死”というハードに取り扱われがちな問題をちょっとでも軽くするためにそのジョークを思いついたのかな。しかし、そのジョークを最初に見たのが“ギコ猫が暴言を振りまいているAA集”っていうのを思い出すと、必要以上に拡大解釈をしている自分がものすごくバカらしく思えてしまうあたり、やっぱAAのパワーってすげぇな、とこの話の趣旨とは違う部分で関心してしまった。